AI×DX Weekly

Vol.19 | 2026年8月3日号

96%が使う時代、問われるのは"何を任せるか"。

中小企業における生成AI活用は「試す段階」を完全に卒業し、「日常業務に組み込む段階」へ移行した——。今週はそれを証明する数字と、次のフェーズを支えるツールが相次いで登場しました。わずか2年で利用率が96%に達したというデータは、もはや「導入するかどうか」ではなく「どう使いこなすか」が勝負の時代になったことを示しています。そして今、AIは「答える」だけでなく「計画して実行する」ところまで進化。あなたの会社の"次の一手"を考えるヒントが、今号にぎっしり詰まっています。


📰 今週のAI×DXニュース TOP3

NEWS 01

中小企業の生成AI利用率、わずか2年で96%へ急上昇

Generative AI Adoption Rate for SMBs

株式会社オプティアスが2024年度と2026年度の2回にわたって実施した「DX・生成AI活用状況調査」によると、中小企業の生成AI利用率は2024年の55.2%から2026年には96.2%へと急伸しました。利用ツールもChatGPT一強から「ChatGPT+Gemini+Claude」の複数併用が主流となり、業務活用の裾野が大きく広がっています。特に「事務・バックオフィス」での活用が87.5%と最多で、次いで「営業・マーケティング」78.6%と、コア業務への浸透が鮮明です。あなたの会社が今すぐ参考にできる活用領域がきっと見つかるはずです。

▶ 出典: 株式会社オプティアス 公式発表(2026年7月28日)

NEWS 02

GMO天秤AI Biz、「依頼1つで業務完結」の自律実行型チャットをβ提供開始

Agentic AI / Autonomous Task Execution

GMO天秤AI株式会社は7月31日、法人向けサービス「天秤AI Biz byGMO」で自律実行型チャットのβ版提供を開始しました。自然な言葉で依頼するだけで、AIが作業を計画し、Web検索・画像生成・複数AIモデルを組み合わせて情報収集から成果物作成までを一気通貫で実行します。従来は「AIに指示→確認→次の指示」を繰り返す必要がありましたが、本機能では「依頼1回→成果物を受け取る」という体験が実現。今後はGoogle Workspace・Slack・Notionなどとのシステム連携(MCP)も予定されており、業務効率化の幅がさらに広がる見込みです。

▶ 出典: GMO天秤AI株式会社 公式発表(2026年7月31日)

NEWS 03

「AIを使いたいが相談相手がいない」——中小企業専門の「みんなのAI相談室」が本日スタート

AI Consulting Support for SMBs

中小企業基盤整備機構の調査では、AI未導入企業の83.3%が「成功事例・活用事例の情報不足」を、79.8%が「適切なツール選定の情報不足」を課題として挙げています。この「相談難民」問題に応えるサービスが本日(8月3日)スタートしました。株式会社ユニークポイントが提供する「みんなのAI相談室」は、eラーニングでAI基礎を学びながら、AI顧問に「この業務はAIで効率化できますか?」「プロンプトはこれで大丈夫ですか?」と気軽に相談できる月額制サポートです。トライアルプランは月額9,800円(税別・3か月限定)と試しやすい価格設定で、まさに「最初の一歩」を後押しする設計です。

▶ 詳細を読む(PR TIMES)

🛠️ 今週のおすすめツール・リソース

TOOL 01

HubSpot Agent Hub & Agent Builder — AIエージェントを一元管理・自作できるCRM連携ツール

HubSpot / AI Agent Management

HubSpotが7月23日にパブリックベータ公開した「Agent Hub」と「Agent Builder」は、マーケティング・営業・カスタマーサポートで動くAIエージェントを一つの画面で管理・新規作成できるツールです。Agent Hubでは各エージェントの稼働状況をリアルタイム監視でき、Agent Builderでは既存の顧客データ(取引履歴・連絡先など)を活用して自社専用エージェントを自然言語で構築できます。実際に「学区ごとの学事カレンダー取得」業務を自動化した事例では、1件あたり15〜20分かかっていた作業が数秒に短縮され、年間350時間以上の削減に成功しています。

こんな人におすすめ:営業・マーケ・サポートの3部門でバラバラにAIを使っており、管理が煩雑になっている中小企業のIT担当者・DX推進者

料金目安:HubSpot Professional・Enterpriseプランユーザーは追加費用なし(現在ベータ)

▶ 出典: HubSpot 公式発表(2026年7月23日)(英語)

TOOL 02

Teachme Biz「スタジオ」— 動画・ExcelをAIがマニュアルに自動変換

Teachme Biz / AI Manual Generation

株式会社スタディストが7月22日にリリースした「スタジオ」機能では、現場の作業動画・既存のExcel手順書・テキスト情報などを一括アップロードするだけで、AIが内容を解析してステップ構造の業務マニュアルを自動生成します。バラバラに管理されていた複数拠点の手順書を統合し、差分が生じた際は追加素材を読み込ませるだけで自動更新。チャット形式でAIとやり取りしながら微調整できるため、マニュアル作成の知識ゼロでも高精度な成果物を得られます。

こんな人におすすめ:現場にノウハウがあるが文書化できていない、複数拠点でマニュアルがバラバラな製造業・小売業・サービス業の業務改善担当者

料金目安:有料(要問い合わせ)。国内外2,400社以上導入実績あり

▶ 詳細を読む(PR TIMES)

📖 用語解説・学習コーナー

SOP(標準作業手順書) / Standard Operating Procedure

一言でいうと:「誰が担当しても同じ手順・同じ品質で仕事ができるように、業務のやり方を文書化したもの」

SOPは、作業の目的・手順・判断基準を明文化し、担当者が変わっても同じ品質を再現できる状態にしておくための文書です。属人化した「あの人しか分からない仕事」を減らす目的で製造業や医療現場を中心に古くから使われてきましたが、作成自体に手間がかかることが普及の壁でした。今週紹介したTeachme Bizの「スタジオ」のように、現場の作業動画やExcelの手順書をアップロードするだけでAIがステップ構造のマニュアルを自動生成してくれるツールが登場したことで、SOP整備のハードルは大きく下がっています。

ビジネスでの使いどころ:複数拠点で作業手順がバラバラになっている、ベテラン社員が退職する前に知見を残したい、新人研修の教材を毎回イチから作っている——こうした課題を抱える中小企業では、まず1つの業務からSOP化を試し、更新のしやすさ(動画を撮り直すだけで反映できるか等)を基準にツールを選ぶのが現実的な進め方です。


💬 編集者コメント

「96%が使っている」という数字、正直ちょっと驚きませんでしたか?私も最初は「本当に?」と思いました。ただ、ChatGPT一強から複数のAI併用が主流になったように、"使っている"の中身には濃淡があります。大事なのは「使っているかどうか」より「何を任せているか」。とはいえ、まだ動けていない企業の多くが挙げる理由は「情報不足」——今日スタートしたAI相談室のような伴走サービスは、その壁を崩す動きです。今週登場した自律実行型AIやAIエージェントが示すのは、「AIに聞く」から「AIに頼む」への進化です。まず一つの定型業務をAIに任せてみる——「使っているか」ではなく「どう任せているか」が、これからの分かれ道です。

📌 来週は、会計事務所の記帳業務を効率化するAI(弥生)や、外部ツールと連携して動くAI(Re:lation)など、"任せ先"の広がりをお届け予定です。お楽しみに!

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